2012年度第1回研究会

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2012年度第1回研究会が、日本福祉大学にて10月13日(土)に開催されました。大学、高等学校、小学校、企業等から64名の参加者が集まり、18件の研究発表と、研究会テーマに沿ったシンポジウムが行われました。

前半に行われた研究発表では、国内外の学校と連携した活動、海外をフィールドとした体験型の学習など、本研究会のテーマと密接に関わる発表が全体の約半数を占めました。大学研究者に加え、国際交流等に実践的に取り組む高校教員、企業関係者等からの報告もあり、テーマについて多様な視点から考える機会になったように思います。これら以外では、協調学習、ソーシャルメディア活用、教科書における映像メディアの扱いなどに関連した発表が行われ、こちらも、示唆に富む興味深いものばかりであり、意見交換も活発に行われました。ハワイ大学の先生による英語での発表もあり、国際的な雰囲気も漂う研究発表となりました。

後半に行われたシンポジウムは、学内外での各種の経験がどのような学びに結びつくのか、また、それら経験を次のステップに繋げるために大切なことは何か、という問いを中心に進められました。宮田義郎先生(中京大学)からは、世界的ネットワークで展開されているWorld Museum Projectについて紹介いただき、そこでの事例を踏まえ、参加者の視野と志の拡大モデルが提案されました。岸磨貴子先生(京都外国語大学)からは、実体験時に高まる学習意欲が体験後にまで維持できない傾向にあることが紹介され、これを克服することも狙いの1つとするICTを活用した越境学習の実践についてお話いただきました。影戸誠先生(日本福祉大学)には、長年続けられている実践からの知見を紹介いただくとともに、コーディネータとしての役割も担っていただき、双方向的で会場との一体感のあるシンポジウムを運営いただきました。会場の方々からも、率直な疑問が呈され、また、登壇者とは異なる視点からの問いも投げかけられるなど、活気に溢れた充実の研究会となりました。ご参加いただいた方々に心より御礼申し上げます。

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 日本福祉大学 佐藤慎一

 

日本教育メディア学会2012年度 第1回研究会のお知らせ

1.開催日時: 2012 年 10 月 13 日(土)13 時から17時(12 時半より受付)

2.開催場所: 〒470-3295 愛知県知多郡美浜町奥田 日本福祉大学15号館

3.研究テーマ:国際連携・国内連携 新しい学びを求めて
学校間での連携、あるいは、地域・学外の各種機関と連携した体験型の学習、プロジェクト型の学習が各種行われてきました。学習者に本物の活動場面を提供し、実践的な力の獲得、学習の動機づけや主体性・能動的な学びを引き出すための学習としても期待されています。そこで今回は、国際連携・国内連携した学習活動に関する実践報告と一般発表、効果的な活動設計、評価方法等について検討します。

4.プログラム

研究発表A1   13:00-14:40

A1-1 異文化理解を目的とする海外研修旅行とは? ~学生の海外経験のあり方をめぐって~
大西誠(愛知淑徳大学)
A1-2 海外ボランティアにおける学生の他者との関わりに関する考察
田原俊哉・山本良太(関西大学大学院)・久保田賢一(関西大学)
A1-3 Eラーニングと協調学習による自己調整学習スキルの獲得支援
山田雅之(総合研究大学院大学)
A1-4 大学外における教育実践と学習の分類
山本良太(関西大学大学院)・久保田賢一(関西大学)
A1-5 大学教育における体験学習の意義と課題 ―北タイフィールドスタディを通じて―
杉本篤史(東京国際大学)
研究発表B1   13:00-14:40

B1-1 日韓教育大の交流における情報メディアの活用9
江島徹郎・真島聖子・梅田恭子・上田崇仁・土屋武志・山根真理(愛知教育大学)・ 姜洪在(晋州教育大学校)
B1-2  JICA開発教育指導者研修に参加して
久賀史恵(名古屋市立名東高等学校)
B1-3  SNSへの投稿データの可視化による振り返り活動の支援
佐藤慎一・影戸誠(日本福祉大学)
B1-4 ノートシェアリングがeラーニングにおける学習に及ぼす効果
高村秀史・佐藤慎一・矢崎裕美子(日本福祉大学)
B1-5 平成23年度版小学校国語科教科書における映像メディアの理解と表現の指導に関する分析
中川一史(放送大学)・石川等(甲府市立里垣小学校)・佐藤幸江(横浜市立高田小学校)・中橋雄(武蔵大学)・森下耕治(光村図書出版)
研究発表A2   14:50-16:10

A2-1 「経験の円錐」再考
吉田雅彦(エヌ・エフ・ユー)
A2-2 中国における思考力育成の授業デザインの教員研修の実施
三宅貴久子(関西大学大学院)・岸磨貴子(京都外国語大学)・久保田賢一(関西大学)・李克東(華南師範大学)
A2-3 国際交流プロジェクトにおけるコーディネータとしての教員の役割についての考察
池田明(大阪市立東高等学校)
A2-4 カンボジア・パニャサストトラ大学と協働した海外体験型学習の実践研究
平川成一(関西大学大学院)
研究発表B2   14:50-16:10

B2-1 海外との交流学習を実施するためのベースライン調査     ―初等中等教育におけるインドとの事例を通して―
今野貴之(目白大学)
B2-2 2つの国際交流プロジェクトを支えて
市村信昭(内田洋行)
B2-3 ソーシャルリーディングを支援するFacebookアプリの開発 ~高校生小論文作成時の読みフェーズに着目して~
佐藤朝美・高橋薫・藤本徹(東京大学)・高橋淳・谷内 正裕(ベネッセコーポレーション)・山内祐平(東京大学)
B2-4  Authentic Learning and Collaboration with Web 2.0 Technologies
Bert Y. Kimura (University of Hawaii), Mary E. O. Kimura (NPO Forum for I-Learning Creation), Curtis P. Ho (University of Hawaii), Kenichi Kubota (Kansai University)
シンポジウム   16:25-17:30

国際連携・国内連携 ~新しい学びのデザイン~

[登壇者]
S-1  World Museum Project 視野と志を世界に広げる学びの場
宮田義郎(中京大学)
S-2  ICTを媒介した越境学習の実践 -国際連携のプロジェクトを事例として-
岸磨貴子(京都外国語大学)
S-3  多様な学びを国際フィールドに求めて Linkage between Two Authentic Settings
影戸誠・佐藤慎一・Gary Kirkpatrick(日本福祉大学)

5.参加費: 資料代1,000円

6.懇親会のお知らせ:
研究会終了後、懇親会を予定しております。知多半島では有名な「温泉付き旅館 まるは」で行います。遠方のため、希望される方には懇親会会場での宿泊を手配いたします。参加費用は、懇親会のみ約5,000 円、宿泊込で約10,000円の予定です。

7.参加申し込み締め切り日: 10月7日(日)

10月7日(土曜日)までに,以下の項目について担当者までお知らせ下さい。
☆ 研究会に参加する・しない
☆ 懇親会に参加する・しない
☆ 懇親会先(旅館)に宿泊(*)(10/13)する・しない
(*) 宿泊は旅館のため参加者での相部屋となります。ご承知おきください。
☆ ご所属
☆ お名前
☆ ご住所・連絡先

8.会場担当者(発表・参加申し込み,原稿送付先):
日本福祉大学 国際福祉開発学部 佐藤慎一(satoshin@n-fukushi.ac.jp)