2015年度第2回研究会

2015年度第2回研究会のご報告
テーマ「メディア教育のための学習環境・教員支援/一般」

 2016年3月26日(土)、2015年度第2回研究会が関西大学東京センターにて開催されました.合計19名が参加し、10件の研究発表が行われました.
 今回の研究会は「メディア教育のための学習環境・教員支援」をテーマに開催されました.現在、教育を取り巻くメディア環境が大きく変化する中、メディアを活用した教育やメディアを扱うための能力の育成などが求められており、そのような教育実践を支えるための学習環境・教員支援が必要とされているためです.20160326
 発表された10件はすべて開催テーマと関連した報告が行われました.
 「自分のメディア史のデジタル・ストーリーテリング作成によるホープレスネス及び態度の変化」では、これまで自分が関わってきたメディアをメディア史として整理することによる学生への効果について報告されました.「教育番組・デジタルコンテンツを活用した教育のための教師支援」では、これまでNHKが行ってきた教育番組の放送や関連コンテンツの公開の歴史を振り返りながら、それを教育で活用するための教員支援について報告されました.「思考スキルに焦点化した授業設計のポイントと効果の検討」では、情報活用能力の育成を目指した授業設計の視点としての思考スキルの活用のポイントとその授業設計への効果について報告されました.「算数科における普通授業と反転授業の比較検討」では、普通授業と反転授業の指導法の違いが児童の学力に対してどのような効果があるのかについて報告がなされました.「異なるICT環境の教室で学ぶ児童の発表意欲に関するインタビュー調査」では、学習環境の違いが児童の発表意欲に与える影響の違いについて報告され、その要因として提示方法や発表者の立ち位置などが影響することが提案されました.
 「タブレットを活用したプロジェクト学習の設計に関する調査」では、タブレットの活用を前提としたプロジェクト学習の設計について、典型的なタブレット活用場面とそのための授業設計の配慮点などについて提案がなされました.「「アクティブ・ラーニング」の視点に立った「情報活用学習」指導計画作成演習の試み-情報機器と学校図書館を併用して-」では、ICT等のメディアや図書等の資料を組み合わせて「アクティブ・ラーニング」を実践するための授業設計に関する教員研修の成果について報告されました.「テレビ番組の「やらせ」に関するリテラシーを養う討論型の授業の実践」では、大学生を対象としたメディア・リテラシーの育成を狙う実践とその成果について報告がなされました.「ソーシャル・メディア経由の情報を読解するための実践の施行と評価-東日本大震災におけるTwitterの役割やデマ情報を題材に-」では、小学生を対象としたメディア・リテラシー育成の実践として、緊急時のTwitter経由の情報を正しく読み取らせるための実践とその成果について報告がなされました.「体験学習における役割の違いが学習に与える影響:メディア・リテラシーの授業実践による検討」では、高校生を対象としたメディア・リテラシー教育において、受信者や発信者といった役割の体験の違いが生徒に与える影響について報告がなされました.
 全体を通して、テーマとなった「メディア教育」について、教育環境や児童・生徒・学生の情報活用能力やメディア・リテラシーの育成のための授業設計方法など、多様な視点からの発表がありました.発表件数の関係で、発表時間が短い部分もありましたが、質疑応答でも発表内容に関する活発な議論がなされ、それぞれの発表が関連づけられ、深まりを感じられる研究会となりました.本研究会にご参加いただきました皆様に改めてお礼を申し上げます.

文責:泰山裕(鳴門教育大学)

2015年度第2回研究会プログラム
テーマ「メディア教育のための学習環境・教員支援/一般」

研究委員会 国内研究会担当 委員長 稲垣忠、本企画担当 泰山裕

教育を取り巻くメディア環境が大きく変化する中、メディアを活用した教育やメディアを扱うための能力の育成などが求められています。そこで今回は、そのような教育実践を支えるための学習環境・教員支援をテーマとした発表を募集します。また、同テーマに関して討議するパネルやワークショップ等を企画しています。その他、本学会がテーマとする内容に関する研究についての発表も募集します。

■日程  2016年3月26日(午後を予定)
■場所  関西大学 東京センター
     http://www.kansai-u.ac.jp/tokyo/
     JR東京駅日本橋口隣接 
■発表一覧
1.和田正人(東京学芸大学)
「自分のメディア史のデジタル・ストーリーテリング作成によるホープレスネス及び態度の変化」
2.宇治橋祐之(日本放送協会)
「教育番組・デジタルコンテンツを活用した教育のための教師支援」
3.泰山裕(鳴門教育大学)
「思考スキルに焦点化した授業設計のポイントと効果の検討」
4.佐藤靖泰(富谷町立明石台小学校)
「算数科における普通授業と反転授業の比較分析」
5.相沢優(東北大学大学院情報科学研究科)
「異なるICT環境の教室で学ぶ児童の発表意欲に関するインタビュー調査」
<休憩>
6.稲垣忠(東北学院大学)
「タブレットを活用したプロジェクト学習の設計に関する調査」
7.福本徹(国立教育政策研究所)
「「アクティブ・ラーニング」の視点に立った「資料活用学習」指導計画作成演習の試み- 情報機器と学校図書館を併用して -」
8.村井明日香(桜美林大学)
「テレビ番組の「やらせ」に関するリテラシーを養う討論型授業の実践」
9.佐藤和紀(東京都北区立豊川小学校・東北大学大学院情報科学研究科)
「ソーシャル・メディア経由の情報を読解するための実践の試行と評価 −東日本大震災におけるTwitterの役割やデマ情報を題材に−」
10.武田匠平(愛知教育大学大学院)
「体験学習における役割の違いが学習に与える影響:メディアリテラシーの授業実践による検討」