2020年度第2回研究会

2020年度 第2回研究会のご報告
テーマ「地域連携の学びとメディア/一般」

2020年12月19日(土),今年度の第2回研究会が,オンライン(Zoom)にて開催されました。オンラインによる研究会は,今年度第1回に引き続き2回目となりました。

 各地で教育機関と地域の様々な組織や団体が連携し,子どもたちの学びを学内外で支援する取り組みが行われていることから,本研究会では,地域連携における学びやメディアの位置づけ,実践のデザインなど,その多様性を共有し情報交換するため,教育機関と地域との連携を行っている研究・実践を募集しました。A会場で6件,B会場で6件の,合わせて12件の研究報告があり,当日は,37名の方々にご参加いただきました。
 午後の研究会に先立ち,午前10時~11時半に,テーマ関連企画として「愛知県児童総合センター(ACC)」のオンライン・エクスカージョンをZoomにて開催しました。ACCは,地域の大学や博物館,アーティストと連携して,独自の「遊び」のプログラムを開発し,地域の子どもたちに提供してきました。前半は施設内を手持ちカメラ(スマホ)を通してめぐる中で,館内の遊びの仕掛けや背景にある考え方を紹介していただきました。後半は,過去のプロジェクトや地域連携の経緯などを,豊富な資料でご紹介いただきました。参加者は8名とアットホームな規模で,参加者からは活発な質問が出されました。オンラインであっても,遠方の地域のリソースに触れられた本企画となりました。

 続いて午後の研究会では,A会場では,主に高等教育において大学あるいは大学教員が,博物館や児童館,教育委員会と連携し,それぞれの専門領域の中で,学生の主体的な参加や学びを促す実践の成果に関する発表や,コロナ禍によるオンラインで地域とのつながりを目指した実践のデザインに関する発表が行われました。
 またB会場では,家庭学習と連携した放送番組を活用した教育的効果や,社会科番組の内容構造の変遷,臨時休校・休園時の家庭での「デジタル学習教材」利用調査結果に関する発表などのNHK学校放送に関連する発表や,WebGIS「地理院地図」を活用した小学生向けワークショップの企画と実践,地域博物館による教育普及活動,科学館による科学的な視座の獲得と地域の魅力を感じとるワークショップの実践など,地域素材を活かした実践に関する発表が行われました。
 両会場ともに,オンラインでのトラブルもほとんどなく,座長の的確な進行のおかげで滞りなく進み,活発な質疑応答が行われました。さらに研究会の終了後の「地域連携における学びとメディア」に関する研究の情報交換では,午前中のオンライン・エクスカージョンや午後の発表に関して情報交換が行われ,今後のオンライン開催の可能性についても話題が広がりました。対面で予定していた研究会ではありましたが,オンラインでも充実した会となりました。改めて,ご参加・ご発表いただきました皆様に,感謝申し上げます。ありがとうございました。

文責:亀井美穂子(椙山女学園大学文化情報学部)